車でもパソコンでも野菜でも、何かを買う時には値札を確認しますよね?
僕は年に数回、オーダースーツを作りに行くのですが、「バンチブック」と呼ばれる生地の見本帳を眺めながら、好みの柄や素材を選んでいきます。直感を大事に性格なので、じゃあこれとこれにします!って本来は言いたいところなんですけど、やっぱり「この生地はいくらですか?」って値段の確認をします。買い物なんだから当然の行為です。
でも、生命保険に入る時って、普段あたりまえのようにしている値札のチェックをしていない人があまりにも多いんですよね。月々支払う保険料はすごく気にするのに、総額でこの先いくら払うのかについては完全に抜け落ちてしまっています。
ということで、今日のテーマは『生命保険の値札』についてです。
生命保険は金融商品
生命保険は数ある金融商品のうちのひとつであって、俗に言う「お守り」ではありません。保険にたいしてそのような認識をもってしまうと、何か特殊なモノのように感じて、「入っておいた方がイイ」という気持ちばかりが先に出て誤った選択をする羽目になります。そう思うかどうかは人それぞれですが、実際は違うのです。
保険は、予測不可能なリスクによって生じた大きな経済的損失(ロス)を埋め合わせるための手段のひとつで、「ロス・ファイナンシング」と呼ばれます。病気や事故で亡くなるケースについては生命保険でカバーし、自然災害で建物の一部が壊れるなどのケースでは損害保険でカバーします。
究極的な表現になりますが、たくさん現金を持っているお金持ちにとっては保険は不要なモノといえます。
値札を提示しない担当者
一般的に、生命保険(医療保険も含む)は期間の長い買い物になりますので、総額の支払いは数百・数千万円にのぼります。仮に、月々3万円の保険を30歳から60歳まで加入したとすると、3万円×12ヶ月×(60-30)歳=1,080万円になります。これが「保険はマイホームの次に高価な買い物」と言われる所以です。
これがもし途中で、月々の保険料が3万→4万→5万円と値上がりしていくタイプだったとしたら、2,000万円は軽く超えるでしょうね。
この総支払額こそが、生命保険の「値札」なのです。月々の支払い金額はもちろん大切ですが、いったい自分がトータルでいくらその保険に払うのかも意識しなければいけません。なぜあなたが意識しなければならないのかというと、この値札の本質をわかっていない保険担当者がごまんと存在するからです。
付き合いや人間関係は大事ですが、そればかりを優先してしまうと保険で大損することになりかねないので要注意です。
保険選びで迷ってしまう理由
結局のところ、総支払額(値札)がわからないからこそ、見直しさえできずにどんどん先延ばしになってしまうのです。僕はコスパ(コストパフォーマンスの略、費用対効果)という言葉が好きなんですが、要はいくら払ってどれくらい満足できたかということです。「値打ちがある(ない)」という表現もしますね。
普段の食事や買い物ではすぐに実感できるのに、生命保険になると途端にわからなくなってしまうというのは、値札不在の買い物をしようとしているからではないでしょうか。逆にいうと、値付けの作業を通じて、難解に感じる生命保険を比較しやすい状態にすることができるのです。
まとめ
「保険は親戚(友達)に任せている」「付き合いで入っている」とよく聞きますが、値札の確認をしているケースは稀です。騙すわけがないと思うかもしれませんが、先ほども書いたように、値付けの作業さえできない保険担当者は大勢います。
値札をきちんと確認したうえで、あなたが納得のいく設計で見直しをする。保険の場合、それが「良い買い物」になります。
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