2021年7月1日から、ある制度がスタートしました。東京オリンピックや新型コロナウイルスのワクチン関連のニュースなどでぜんぜん話題にすらなっていませんが、生命保険業界では画期的?ともいえる制度です。
要旨
7/1から始まった『生命保険契約照会制度』。制度の仕組みをおさえて、いざという時に使えるようにしておくと良いですね。自分のこともさることながら、ご両親の場合でも利用できる制度です。
制度ができた背景
母「わたしが亡くなったら保険金がおりるからね・・・」。
息子「ああ、わかったよ。ありがとう」。
どこにでもありそうな何気ない会話ですが、どこの会社からいくら払われるのかがわかりませんよね?一番肝心なことです。
とはいえ、「いったいいくらおりるの?」「どこの会社なの?」とは聞き返しづらいもの。お金の話をしただけなのに、がめつい人だと受け取られたりします。最近は少しオープンになってきた感もありますが、まだまだお金の話はしてはいけない風潮が根強いように思います。
生命保険金の手続きは、その人が亡くなってからするものです。日本には40社以上の生命保険会社が存在するので、情報がないとにっちもさっちもいかないのです。
まずは保険金の手続きをする人(亡くなった方のご家族)に、どこの保険会社の生命保険に加入しているのかという情報を把握してもらおうというのが、今回始まった制度の趣旨です。
制度の仕組み
利用の申込は、生命保険協会のホームページで行います。(生命保険協会というのは本制度の運営元の組織です)
まずは、指定された必要な書類を用意して、契約照会の依頼をします。2週間くらいすると照会結果が送られてくるので、それをもとに各保険会社に保険金の支払い請求を行います。
すごく簡単なので、頭の片隅に入れておくと良いと思います。
利用する際の注意点
ただし、契約照会にあたっては利用料として1回3,000円かかります。また、本人が生きているうちは照会できません。照会制度を利用できるのは、本人が死亡(ないし認知症)した場合のみです。
そして、保険金請求手続きの代行をしてくれるわけではない、ということ。ここ大事です。契約照会制度では、どこの保険会社に契約があるか教えてくれるだけです。
それ以上の情報(詳しい保障内容や手続きの方法など)は、ご自身で保険会社に確認する必要があるということです。
まだ制度がスタートしたばかりなので、今後修正が加えられることと思います。この辺りの細かい条件は、協会のホームページで確認してください。
豆知識
照会に必要な書類の中に、「死亡診断書」があります。手続きにあたる方は、死亡診断書を10枚くらいコピーして手元に持っておくことをおすすめします。
というのは、亡くなった後の手続き(銀行口座・携帯など解約)でたびたび必要になるからです。うっかり原本を提出してしまうと、返却されるまでに時間がかかって、他の手続きがストップしてしまいます。
再発行してもらうにしても、また発行料金(3,000円~10,000円くらい)がかかりますので、コピーをささっと出せるようにしておくとスムーズですね。
おわりに
冒頭で「画期的」と書きましたが、今までなかったのが不思議なくらいですよ。技術的に真新しいことをやっているわけではないのに 笑。それくらい、超保守的な業界ということなんですね。
とはいえ、役に立つ制度だと思います。「わからないことは担当者に聞けば良い」と思っていても、おそらくその担当者は辞めてしまっていないでしょうから、一元的に情報が把握できるのは便利ですよ。
コメントを残す