保険会社の不払い問題が噴出してから久しいですが、やっぱり原因があるんですよ。保険会社側の落ち度だけでなく、保険の加入者側にも責任があるケースもあります。
もらえると思っていたお金がもらえないというオチでは悲しすぎますので、あなたも残念な結末にならないよう、抑えるべき点はしっかりと抑えておいてくださいね。
要旨
保険会社の「不払い」と「対象外」は全く別物です。まずは、どちらに該当するのか見極めましょう。
「不払い」が起きてしまうにはそれなりの原因があります。保険会社だけでなく、加入者にも責任がある場合もありますので、要注意です。
不払いの意味
不払いとは、保険会社が支払わなければならない事案にたいして、正当な理由無く、お金を払わずにいた事件のことです。金融庁の規定では「不祥事故」と言います。
過去に、多くの保険会社がこのような不払いの事件を起こしたので、社会問題にもなった経緯があるので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。
支払いの「対象外」と「不払い」は別物
よくある勘違いのひとつに、保険の支払いの「対象外」というのがあります。お金がもらえるケースともらえないケースについては、約款(やっかん)に記載されています。あたりまえの話ですが、約款に記載されていない手術を受けた場合には、お金はもらえません。
例えば、がん保険に入った1ヶ月後にがんが見つかった場合、給付金を受け取ることはできません。なぜなら、がん保険には「90日ルール」という不担保期間(保障開始日から90日間は保障されない)があるからです。
これは「不払い」ではなく、単なる保障の「対象外」になります。言葉の定義というのは大切で、テレビや新聞あるいはSNSなどでは、それをごちゃ混ぜにして発信されている場合もあるので要注意です。
不払いが起こる原因
それでは、不払いが起こってしまう原因は何なのでしょう?
原因その1
そもそもお客さんから申請がなかった場合です。うっかり忘れていた、保険に入っているのを知らなかった、保険に該当するとは思わなかった・・・理由は色々とありますが、お客さんから申請がないと保険会社はわかりようがありません。
現在は「不払い問題」で世間を騒がせた過去の痛い経験を生かし、保険会社では入院・手術をしていないかなどハガキ等で確認するようになっています(「請求勧奨(せいきゅうかんしょう)と言います)。
原因その2
顧客の「告知義務違反(こくちぎむいはん)」によるものです。告知義務違反というのは、現在治療中の病気や既往歴があるにもかかわらず、保険加入の際にその事実を申告しないことです。
申込時点ではわからなくても、後で発覚します。例えば、申込から一定期間内に入院した(手術した)場合、保険会社は調査を行います。もちろん、本人の同意の上ですが、いつから治療していたかなど履歴を全部調べ上げます。
その結果、申込日より前に治療をしていた事実がわかれば、告知義務違反となって、保険の給付が受けられなくなります。それどころか、最悪の場合、契約自体が解除になることもあります。
原因その3
営業担当者のミス。保険の対象にならないのに「対象になります」と言ったり(虚偽説明)、既往歴を申告しようとしたのに「申告しなくてイイ」と言ったり(告知妨害)、申告する必要があるかどうかわからないのに「申告の必要はありません」と言ったり(不告知教唆)・・・いずれも営業担当者のミスです。
ミス・・・というより、れっきとしたルール(保険業法)違反なので、その担当者はペナルティーを受けます。さらに悪質な場合は、懲戒処分になります。
このように不払いの原因は様々です。加入者側としてできることは、保険の事でわからない点があったら、ほったらかしにせずにすぐに確認するクセをつけるということです。
特に、手術の給付金の対象になるかならないかはケースバイケースです。インターネットやSNSの情報などは主観的に書かれている内容もあって当てはまらないこともありますので、必ず契約している保険会社に確認するのが先決です。
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